「ゴルフ利用税と軽油引取税の会計と税務(法人税・消費税)」

 

2025年(令和7年)3月31日

寺田 誠一(公認会計士・税理士)

 

 

・ゴルフ利用税

 

 ゴルフ利用税は、都道府県民税です。標準税額は1人1日あたり800円ですが、ホール数や利用料金などにより、いくつかの等級が設けられています。また、高齢者・障がい者などには、非課税・軽減制度があります。

 

 プレー代・ロッカー代・飲食代などは、ゴルフ場の売上となります。しかし、ゴルフ利用税は、ゴルフ場が利用者から預かって都道府県に納めているものであり、ゴルフ場の売上ではありません。

 したがって、利用者が支払うプレー代・ロッカー代・飲食代などには消費税がかかりますが、同じ利用者が支払うものであっても、ゴルフ利用税には消費税はかかりません(他に、緑化協力金なども、消費税課税対象外です。)。

 

(設例)

 ゴルフ場において、取引先とのプレー代19,500円、ロッカー代500円、レストランの食事代8,000円、ゴルフ利用税2,000円を現金で支払った。消費税内税入力方式での仕訳は、どのようになりますか。

 

(第1法)交際費とする方法

(借)交際費  28,000 (貸)現  金 30.000

   交際費    2,000

 

(第2法)租税公課とする方法

(借)交際費  28,000 (貸)現  金 30.000

   租税公課   2,000

 

 プレー代などは消費税課税なのに対して、ゴルフ利用税は消費税課税対象外(不課税)です。したがって、仕訳を分ける必要があります。勘定科目は、第1法のように交際費とする方法と、第2法のように租税公課とする方法とが考えられます。

 

 会計ソフトで仕訳を入力する場合の消費税区分ですが、当初の区分は交際費は課税仕入れ、租税公課は課税対象外(不課税)となっています。したがって、第1法を採ってゴルフ利用税を交際費として入力した場合には、消費税区分を課税対象外(不課税)に直す必要があります。第2法の消費税区分は、課税対象外(不課税)となっているので、変更の必要がありません。

 

 法人税では、交際費に損金算入限度額が設けられているので、交際費を正確に計算する必要があります。第1法は、そのまま交際費を集計すればよいわけです。第2法を採った場合には、法人税申告時に租税公課に含まれる交際費を法人税申告書別表15において交際費にプラスする必要があります。

 

 つまり、ゴルフ利用税を交際費として処理する方法は、会計の仕訳入力時に手数がかかります。一方、租税公課として処理する方法は、税務の決算時に手数がかかります。どちらも一長一短です。

 

 私見では、交際費として処理する方法が妥当と考えます。そもそもゴルフ利用税も含めて交際費と考えられるからです。

 

 

・軽油引取税

 

 軽油引取税は、都道府県民税です。ディーゼル車の燃料などとして用いられる軽油に課税される税金です。税額は、1リットルあたり32.1円です。

 

 軽油引取税は、通常、ガソリンスタンドが預かっているだけで、ガソリンスタンドの売上ではありません。したがって、ガソリンスタンドで購入した軽油には消費税はかかりますが、軽油引取税には消費税はかかりません。

 

(設例)

 ガソリンスタンドで軽油代金6,500円(うち軽油引取税1,500円)を現金で支払った。消費税内税入力方式での仕訳は、どのようになりますか。

 

(第1法)車両費とする方法

(借)車両費 5,000 (貸)現  金 6,500

   車両費  1,500

 

(第2法)租税公課とする方法

(借)車両費 5,000 (貸)現  金 6,500

   租税公課 1,500

 

 軽油代は消費税課税なのに対して、軽油引取税は消費税課税対象外(不課税)です。したがって、仕訳を分ける必要があります。勘定科目は、第1法のように車両費(または、燃料費・旅費交通費など)とする方法と、第2法のように租税公課とする方法とが考えられます。

 

 会計ソフトで仕訳を入力する場合の消費税区分ですが、当初の区分は車両費は課税仕入れ、租税公課は課税対象外(不課税)となっています。したがって、第1法を採って軽油引取税を車両費として入力した場合には、消費税区分を課税対象外(不課税)に直す必要があります。第2法の消費税区分は、課税対象外(不課税)となっているので、入力時に変更の必要はありません。

 

 法人税では、交際費のように損金算入限度額はないので、第1法と第2法の税務上の違いはありません。

 

 私見では、軽油引取税は、車両費とは別に、租税公課とする方が妥当と考えます。その理由は、次のとおりです。

① 仕訳入力時に、課税対象外(不課税)と表示される消費税区分を変えなくて済みます。

② 車の税金は、車検などの修繕のとき、修繕費とは別に、租税公課とすることが通例です。したがって、軽油引取税も、車両費とは別に、租税公課とする方が首尾一貫性があります。